過去5年との比較で見る「山岳中心化」と注目選手
この記事は、2026年ツール・ド・フランスを過去5年と比較し、山岳中心化の進行と主要ステージ、ポガチャル・ヴィンゲゴーら注目選手を視聴者目線で整理しました。
はじめに
今年(2026年)のツール・ド・フランスが始まった。
今年のコースレイアウトは近年の傾向をさらに推し進めた“山岳中心”の構成となっており、総合争いは例年以上に厳しいものになると予想されている。
本記事では、過去5年のコースレイアウトとの比較、今年の特徴、そして注目選手について整理してみた。
ツールの注目ステージ。
過去5年のコースレイアウトの傾向
2021〜2025年のツールは、以下のような特徴が見られた。
- 総距離は3,300〜3,500kmでほぼ横ばい
- 山岳ステージの比率が年々増加
- 特に2023〜2025は「山岳の質」が高まり、
- 長い登坂
- 急勾配
- 標高2,000m超の峠
が増えてきた。
つまり、ここ数年は “山岳中心のツール” が定着してきたと言える。
2026年のコースレイアウトは「山岳中心がさらに顕著」
2026年は、この傾向をさらに強めた構成になっている。
● 総距離は短い(3,320km)
距離で難易度を上げるのではなく、山岳密度で勝負する設計。
● 獲得標高は過去最多(54,450m)
2024・2025よりさらに増加し、近年で最も山岳が重い年。
● 山岳の“配置”が厳しい
- 序盤:ピレネー
- 中盤:マッシフ・サントラル
- 終盤:アルプス3連戦
休む日がほとんどない山岳構成で、総合勢は常に脚を試される。
前半の注目は第6ステージ
今年の前半戦で最も重要なのが 第6ステージ。
- ツールマレー(2,115m)
- ガヴァルニー=ジェードル頂上フィニッシュ
- 第4・5ステージで脚を使った直後にこの超級山岳
総合勢の脚が本当に仕上がっているかが露わになる最初の分岐点であり、
2026年のツールはここから本格的に動き始める。
2026年の主要・注目ステージ
今年のレースの流れを把握するために、総合争いに影響する主要ステージをまとめた。
第1〜3ステージ(6月27〜29日):バルセロナ周辺(丘陵)
→ 序盤から細かいアップダウンで脚を削る構成。第6ステージ(7月2日):ピレネー(ツールマレー → ガヴァルニー=ジェードル)
→ 前半最大の勝負どころ。総合勢の脚が露わになる最初の分岐点。第10ステージ(7月6日):マッシフ・サントラル(7カテゴリー山岳)
→ 中盤の総合争いを左右する“山岳密度の高い日”。第15ステージ(7月11日):ソレゾン頂上フィニッシュ(平均9.1%)
→ 今年最も平均勾配が厳しいフィニッシュ。総合勢の耐久力が試される。第19ステージ(7月15日):アルプス(アルプ・デュエズ1日目)
→ 第3週の疲労がピークの中での頂上フィニッシュ。第20ステージ(7月16日):アルプス(クロワ・ド・フェール → テレグラフ → ガリビエ → サレンヌ → アルプ・デュエズ)
→ 獲得標高5,600m超。ツール史上最多の“クイーンステージ”。第21ステージ(7月17日):パリ(最終日)
→ マイヨジョーヌが確定する日。
2026年の注目選手
今年の勢力図は以下のように整理できる。
🟡 中心:ポガチャル vs ヴィンゲゴー(2強)
過去5年のマイヨジョーヌは
- ポガチャル:3勝
- ヴィンゲゴー:2勝
山岳中心の今年のコースは、2人の得意分野に完全一致しており、
2026年もこの2強が中心となるのは確実。
🔥 第三勢力の台頭
今年は例年より「割って入る選手」が現実味を帯びている。
レムコ・エヴェネプール
- TTでタイムを稼げる
- 中盤の難ステージで攻められる
イサック・デル・トロ
- UAEの新世代
- 山岳での爆発力が未知数で、総合でも狙える
ポール・セイシャス(19歳)
- フランス期待の新星
- 山岳でどこまで食らいつけるかが注目
2強の物語に新勢力が割って入るか──これが今年の最大の見どころ。
まとめ
2026年のツール・ド・フランスは、過去5年の傾向をさらに推し進めた 「山岳中心のレース」 となっている。
総距離は短いが獲得標高は過去最多で、序盤から山岳が散りばめられ、特に 第6ステージが前半の総合争いの最初の分岐点 となる。
そして、今年も中心となるのは ポガチャルとヴィンゲゴーの2強。
ただし、エヴェネプール、デル・トロ、セイシャスといった 新勢力の台頭が本当に現実味を帯びており、勢力図が動く可能性がある年 でもある。
「2強の支配が続くのか、それとも新時代が始まるのか」
2026年のツールは、その答えが見える大会になる。
睡眠不足の3週間が、今年も始まった。
