この記事は、森下裕美『荒野のペンギン』の魅力を紹介。絶版で入手困難な全3巻の短編連作、ガロ系の影響、哀しみを描く作風、作者の転換点としての位置づけ、書籍情報と著者プロフィールをまとめたレビュー。
最初に
昔読んだマンガで、どうしても読み直したい作品があった。
しかしすでに絶版で、電子書籍化もされていない。
以前は単行本を持っていたが、すでに手放していた。
もう一度読みたいと思い、ブックオフを探したが見つからない。
最後には、ヤフオクでようやく手に入れた。
どうしても読み直したかった作品。
それが、森下裕美著『荒野のペンギン』である。
荒野のペンギン(全3巻)。

森下裕美の転換点
著者の森下裕美は、『荒野のペンギン』の連載終了後、
作風と掲載誌を大きく変えて『少年アシベ』を連載した。
『少年アシベ』は、ゴマフアザラシの子ども・ゴマちゃんが登場するほのぼの系の漫画だ。
しかし、背景には社会風刺やブラックな視点が垣間見える。
その源流が、『荒野のペンギン』には確かに存在している。
まさに転換期の直前に描かれた作品である。
荒野のペンギンとは
- 1話完結の全24話の短編連作
- 大人向けの静かなドラマ
- 初期の“ガロ系”の影響が色濃い
- シリアスで、人生の哀しみを描く作風
各話に同じ人物が登場するが、職業や生活環境は毎回異なる。
そのため、温かい結末もあれば、哀しい結末もある。
この“哀しさ”の描き方に、森下裕美の本来の実力が現れている。
書籍情報
- 作者:森下裕美(『少年アシベ』の作者)
- 掲載:週刊ヤングジャンプ
- 時期:1984〜1986年
- 単行本:全3巻(集英社・ヤングジャンプコミックス)
- 話数:全24話
- 主人公:小林薫(さえない中年男性)
- ジャンル:短編ドラマ/ファンタジー/日常の哀愁
著者情報
- 名前:森下 裕美(もりした ひろみ)
- 生年:1962年9月7日(奈良県宇陀市出身)
- デビュー:1982年
- 「少年は青春を好きだった」でフレッシュジャンプ賞佳作
- 『ガロ』および『週刊少年ジャンプ』でデビュー
- 夫:漫画家・山科けいすけ
まとめ
私が再び読みたかった話は、第3巻、連載終了直前の第23話。
「あいまいな幸福」24ページ(表紙含む)。
わずか24ページの短い話だが、根底には深い意味が刻まれていた。
この話だけはネタバレしてでも紹介したいと思ったが、やはり辞めておく。
もし漫画喫茶などで見かけることがあれば、
この話だけでもぜひ読んでほしい。
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