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はじめに

『紅たん碧たん』 新谷かおる著|好きな作品の話

この記事は、新谷かおる著『紅たん碧たん』をネタバレ無しで紹介しているものです。



はじめに

この作品を紹介するきっかけは、三浦糀著『アオのハコ』だ。
登場人物に、猪鹿蝶と、花札の役名が隠れている。

アオのハコの登場人物

花札の役 キャラ名 役割
猪(いの) 猪股大喜 主人公
鹿(しか) 鹿野千夏 ヒロイン
蝶(ちょう) 蝶野雛 もう一人のヒロイン

作者から役名についてコメントされた事は確認できていないが、
猪鹿蝶がモチーフになっていることは想像できる。

この花札の役名から思い出したのが、新谷かおる著『紅たん碧たん』(あかたん・あおたん)だった。

『アオのハコ』の紹介については、また次の機会に。


作品紹介

『紅たん碧たん』は、新谷かおる氏が得意とするドタバタコメディである。
メカものを描かせたら一級品の作者だが、コメディ作品も実に巧い。
肩の力を抜いて読める、脱力系の作品だ。

紅たん碧たん(第1巻)の表紙紅たん碧たん(第2巻)の表紙

設定

舞台は任侠組織、いわゆるヤクザの組である。

父母に続き、保護者役のおばにも先立たれ、天涯孤独となった山野紅葉(もみじ)16歳。
ここまではシリアスな雰囲気だが──

おばの遺言に従い、紅葉は組長・笹本万蔵を訪ねる。
しかし万蔵はすでに亡くなっており、その内縁の妻である笹本碧(みどり)28歳からその事実を知らされる。

ところが、万蔵が婚姻届と養子縁組の書類を取り違えて提出していたことが発覚する。

  • 正:妻)碧(28歳) 娘)紅葉(16歳)
  • 誤:妻)紅葉(16歳) 娘)碧(28歳)

最初の設定からすでにコメディである。


登場する任侠組の名前

  • ささにしき組
  • こしひかり組
  • 古米組、古々米組、古々々米組

脱力感がすごい。


物語

当初は、勝手の違う任侠に世界に戸惑う紅葉。
持ち前の明るさで色々な問題を解決していく姿は、
作者の別作品である『クレオパトラDC』と通じるものである。


スター・システムを採用

本作はスター・システムを採用している。

スター・システムとは、手塚治虫が確立した手法で、
同一のキャラクターが異なる作品で別の役柄を演じるというもの。

作者のファンとしては、見知ったキャラクターが“役者”のように別作品に登場するのを見るのは嬉しいものだ。

蛇足だが、新谷かおる著『ふたり鷹』では、最終回後に
「作中の出来事は、役者が演じるドラマだった」
というオチが描かれていたりする。


作品の背景

全13話(単行本は全2巻)と短い作品である。

当時の“大人の事情”により、連載していた小学館からは第2巻が発売されなかった。
約10年後、白泉社から全2巻として刊行されると、第2巻の売上が第1巻を上回るという結果になったという。
それだけ読者に愛されていた作品なのだろう。

現在、Kindle Unlimited の対象として公開されている。
機会があれば、ぜひ読んでほしい作品である。


書籍情報

  • 紅たん碧たん 1(少年サンデーコミックス)1985年6月
  • 紅たん碧たん 1(ジェッツコミックス)1994年4月
  • 紅たん碧たん 2(ジェッツコミックス)1994年4月
  • 紅たん碧たん(白泉社文庫)1998年12月15日

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