この記事は、神保町の古典街に行った体験記の前編として、さぼうる2の昼食までの流れをまとめたエッセイ風の内容です。
はじめに
神保町、古書街を初めて訪れた。
大手町で乗り換えしたところ、神保町までは一駅、思いの外近いというのが第一印象だった。
スマホの乗換案内アプリの充実により、事前に調べることが減ったからこその発見である。
話を聞かない男、地図が読めない女
神保町駅に到着し、スマホのナビを開いた。
さぼうる2での昼食が目的の一つだったからだ。
しかし、スマホのナビは昔から苦手だった。
2000年に発売された「話を聞かない男、地図が読めない女(アラン&バーバラ・ピーズ著)」という本がある。
タイトルを知っているのみで読んではいないが、男性は空間認識能力が高く、女性はコミュニケーション能力が高いという内容だと聞いていた。
タイトルを逆手にとれば、男性は地図が読めると言っているのだろう。
しかし、カーナビやスマホのナビ機能が充実した今、そもそも地図を読む必要がなくなりつつある。
見慣れないものであれば、男性でも地図が読めるのかは疑問である。
自分は、地図が読める。
カーナビでも問題なく目的地に着くことが出来る。
特に方向音痴というわけではないのだが、なぜかスマホのナビだけは苦手だった。
スマホのナビ上で自身が向いている方向と、実際の方向のずれが原因の一つだと思う。
毎回、とりあえず移動し、ナビ上で矢印の向きを確かめてから目的地に向かうという手順が必要だった。
スマホの電子コンパスの癖、あるいは弱点なのだろう。
周囲の影響で方向が正しく認識されない。
機器側の問題であるという理由で、逃げ切りたいのが本音だ。
今回は、正しい方向に進むことが出来た。
偶然、いや、当然である。
天気図を書くということ 北は上
話はそれる。
その昔、天気図が書けた。
ラジオから流れる気象通報を聞きながら、白地図に天気図を描いていたことを思い出す。
NHKラジオ第2『気象通報』
・毎日決まった時間に、全国の観測地点の 風向・風力・天気・気圧・気温 が読み上げられる
・聞きながら天気図用紙(白地図)にプロットしていく
・最後に自分で等圧線を引いて完成させる
・気象予報士の勉強や趣味として行われていた
観測値をひとつずつ埋め、翌日の新聞で等圧線を答え合わせする。
そんな遊びをする時期があった。
あの作業は、地図を読むという行為とは異なるのだが、「地図の上は北」という感覚が刷り込まれたのかもしれない。
遠い、近い
話を戻す。
方向は合っている。
目的地は近づいている。
道路を渡った反対側の方向が目的地だ。
しかし、思いの外距離がありそうだ。
道路を渡って一本目の路地を入ると、突然「さぼうる2」と「さぼうる」が現れた。
というか、行列が見えたので確認すると、「さぼうる2」の店先だった。
スマホの地図の縮尺が、想定と違っていたのだろう。
さぼうる2
行列
さぼうる2の前には数人の列ができていた。
まだ昼少し前。
丁度よい時間に到着出来たようだ。
時間に余裕があるので列の最後尾に並ぶ。
行列の中から京都弁の会話が耳に入る。
語尾のイントネーションが心地よく、待ち時間が少し柔らかくなる。
さぼうる2の店先の行列

店内
案内されたのは地下の席で、薄暗い空気の中に80年代の曲が流れていた。
「うしろゆびさされ組」の声が、木の壁に吸い込まれていく。
うしろゆびさされ組
「おニャン子クラブ」から生まれた派生ユニット。
80年代アイドル文化における 派生ユニットの元祖 とされる存在。
四人席に一人で座る。
テーブルが思いのほか小さく感じる。
椅子二脚分より狭いような、密度の高い空間。
そこへ念願のナポリタン(大盛り)が運ばれてきた。
ナポリタン
ナポリタン(大盛り)

麺は、自宅で1.7mmを常食しているせいか、細く感じる。
ケチャップの汁気は多いのに、しつこさは感じない。
大盛りでも、気づけば皿は空になっていた。
自分の懐かしい味が何なのかはわかっていないが、懐かしい味と言われれば納得する味だった。
ナポリタン ¥1,000 (大盛り) +¥250
昼時なので、食べ終わると席を立った。
地下の暗さから地上の光へ戻る。
店先の行列は続いていた。
ここまでを前編(さぼうる2編)とし、後半(古本街デビュー編)は後ほどまとめる予定。