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はじめに

『フルメタル・パニック!』賀東招二著|好きな作品の話

この記事では、『フルメタル・パニック!』への長年の思いと、その魅力をネタバレなしで紹介するとともに、 自分のコールサイン(ニックネーム)の源流について、紹介しています。



はじめに

ブログの外装が整った今、ようやく語れる話がある。
ずっと伏線として温めてきた、自分の“コールサイン”の源流。
そして、長年読み続けてきた大切な作品のことだ。

自分にとって『フルメタル・パニック!』は、ある意味で“青春”の一部と言ってもいい。
……いや、青春というほど若くはないのだが、そう呼びたくなるくらいには影響を受けている。 "小説『フルメタル・パニック!』の表紙の写真"

賀東招二先生による『フルメタル・パニック!』の初刊は1998年9月。
そこから12年後の2010年に本編最終巻が発行され、物語は完結した。
翌2011年には短編集が刊行され、シリーズとして一区切りを迎える。


物語の魅力(ネタバレなし)

物語の中心にいるのは、幼い頃から戦場で育ち、軍隊以外の世界をほとんど知らない少年・相良宗介だ。
彼にとって「平和な日常」は、軍事マニュアルにも作戦計画にも存在しない未知の領域である。

そんな宗介が、日本の高校に“任務として”潜入するところから物語は始まる。
銃火器の扱いには精通していても、教室での立ち振る舞いは壊滅的。
敵の襲撃には冷静に対処できるのに、クラスメイトの何気ない言動には右往左往する。
そのギャップが、作品全体の魅力のひとつだ。

同級生から軍事オタクとみなされる宗介自身が発する言葉、
「スペシャリストだ」
という自信満々の一言が、個人的にとても好きである。

しかし、この作品は単なる学園コメディではない。
宗介が守るべき少女の存在、世界の裏側で動く巨大な陰謀、
そして“ブラックテクノロジー”と呼ばれる、現代科学では説明できない技術の存在。
これらが物語の根幹に静かに影を落としている。


ブラックテクノロジーとは何か(ネタバレなし)

作中に登場する“ブラックテクノロジー”は、単なる未来技術ではない。
本編でも「本来、この世界には存在しないはずの技術」と明言されている。

例えるなら──
歴史のどこにもスマホの発明者が存在しないのに、
ある日突然、世界中の人間が“スマホを昔から知っていた”かのように使いこなしている。
誰も違和感を覚えず、技術の系譜も存在しない。
それなのに、確かにそこにある。

そんな“世界のほうが記憶を改ざんされたような技術”が、ブラックテクノロジーである。
科学の延長線上にある未来技術ではなく、
歴史の因果律そのものがねじ曲がって生まれた“異物”。
その存在が、物語全体に独特の緊張感を与えている。

iモードが始まった頃のガラケーの時代に、
iPhoneどころか、それ以上のデバイスが当然のように存在している世界
と言えば、少しは雰囲気が伝わるだろうか。


コールサインの話

主人公・相良宗介の階級は軍曹。
登場するロボット(AS・アーム・スレイブ)に搭載されたAIからは、『軍曹殿』と呼ばれる。
その朴念仁ぶりと、不器用なほどの真面目さに長年影響を受けてきた。

自分のコールサイン(ニックネーム)を『おのおの軍曹殿』としたのは、
まさにそのオマージュである。肯定だ。


作者について

原作者の賀東招二先生は、永野護先生につながる作家だと自分は考えている。
小説でそこまで必要かと思うほど詳細な設定を用意し、その説明に細かな書き込みがある。
すんごい人である。

そういえば先日、池袋での永野護デザイン展が終了したが、
最初の所沢会場を訪れたことを賀東先生自身が語っていた。


本編と短編の発行順一覧

最初に「本編全12巻」と書いたのには理由がある。
実は短編、外伝など、さまざまな形で発表されているからだ。

外伝を除いた、本編と短編を発刊順に並べてみる。
ガンダムで言えば、ファーストガンダムの話である。
※発行年等、誤っていたらすまん。

  • 戦うボーイ・ミーツ・ガール(本編)(1998)
  • 極北からの声(短編)(1999)
  • 揺れるイントゥ・ザ・ブルー(本編)(2000)
  • 放課後のピースメーカー(短編)(2000)
  • 終わるデイ・バイ・デイ〈前〉(本編)(2001)
  • 終わるデイ・バイ・デイ〈後〉(本編)(2001)
  • 踊るベリー・メリー・クリスマス(本編)(2002)
  • サイドアームズ(短編)(2002)
  • つづくオン・マイ・オウン(本編)(2003)
  • 燃えるワン・マン・フォース(本編)(2004)
  • つどうメイク・マイ・デイ(本編)(2005)
  • せまるニック・オブ・タイム(本編)(2006)
  • ずっと、スタンド・バイ・ミー〈上〉(本編)(2010)
  • ずっと、スタンド・バイ・ミー〈下〉(本編)(2010)
  • マジで危ない九死に一生?(短編)(2011)

本編は比較的シリアス。
短編はコメディそのもの。
同じ登場人物・同じ舞台設定での書き分けは見事で、初期は本編と短編が交互に発表されている。


そして現在

最近、この本編の後続として『フルメタル・パニック! ファミリー』が2024年に発表された。
こちらは現在進行系で話が進んでいる。

ぜひ読んでもらいたいが、その前に上記の大作を読んでほしい。
大丈夫だ。
話が面白く、あっという間に読み終えること、肯定だ。


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