本記事では、PENTAX Qマウント用レンズ「06 TELEPHOTO ZOOM」について、簡単な機材紹介と撮影例をまとめています。
はじめに
十数年ぶりに再稼働したPENTAX Q10。
複数のレンズとともにハードケースに収めたその姿は、もはや「システムQ10」と呼びたくなるほど。
せっかくなので、使用している機材を一つずつ紹介していこうと思う。
今回はその中から、『06 TELEPHOTO ZOOM』を取り上げる。
使用中の06 TELEPHOTO ZOOM。HAKUBAのキャップを装着。
使用機材 レンズ:01 STANDARD PRIME・47mm相当・F1.9・1/30秒・ISO800
スペックと特徴
ズーム全域でF2.8の明るい開放F値。
大口径ならではのボケ味の表現。
35mm換算で83mmから249mm相当。
人物ポートレートやスポーツ、風景等に幅広く使用できる。
Qマウントの中でも、望遠域を担う一本。
使用感と描写の印象
一眼に慣れている身からするとピントやフォーカスの挙動が別物と感じてしまい、語るのが少し難しい。
スナップ的な使い方では、AFを信じて中央一点で合わせるのを基本としている。
今後、使い込んで馴染んだ際には、別の印象を抱くかもしれない。
Q10のセンサーサイズは1/2.3と当時のコンデジに多くみられたもの。
本来はボケ味に不利なサイズだが、望遠側の開放F2.8で撮影すると、ピント合わせが意外とシビアに感じた。
数センチの違いでボケが生まれ、被写界深度の浅さを実感する。
逆に言えば、それを使いこなして表現の幅を広げていきたい。
撮影例
ガーデンスピナー(飛行機型)
同じ位置から、ズームの画角の違いを比較。
夕方に近い、すこし赤みを帯びた光の中で撮影。
【左】(望遠端・F/4.5・1/800秒・ISO200) 【右】(広角端・F/4.5・1/200秒・ISO100) で撮影したガーデンスピナー
望遠側では、飛行機のディティールに寄ったカット。
全体が収まる位置から撮影。
背景が大きくボケて、主題が際立つ。
広角側では、飛行機の配置や周囲の状況が伝わる。
中望遠での画角であり、広角系のレンズと比べると画角は狭く、ややタイトな印象を受ける。
モノクロ描写
モノクロ設定で撮影。
さまざまなカスタムイメージには「雅」や「リバーサルフィルム」など多彩な選択肢がある中で、 今回はあえて無難な「モノトーン」を選んだ。
陰影により立体感が強調される。
望遠端・F/4.5・1/1000秒・ISO200 で撮影したガーデンスピナー
梅の花(近接撮影)
望遠端・開放F2.8で撮影。
幹の硬質な質感と、紅梅の柔らかな花弁をひとつのフレームに収めた。
被写界深度の浅さと、シャープな描写を活かしたかった。
数センチのピント差で背景が大きくぼけ、花の輪郭が浮かび上がる。
237mm相当・F/2.8・1/250秒・ISO200 で撮影した紅梅
詳細諸元
詳細諸元|PENTAX 06 TELEPHOTO ZOOM
| 項目 |
内容 |
| レンズタイプ |
望遠ズーム |
| 焦点距離(35mm判換算) |
15–45mm(83.0–249.0mm) |
| 開放絞り値 |
F2.8 |
| 画角 |
29°–9.9° |
| レンズ構成 |
10群14枚 |
| 絞り羽根枚数 |
5枚 |
| 最短撮影距離 |
1.0m(ズーム全域) |
| 最大撮影倍率 |
約0.05倍 |
| フィルター径 |
40.5mm |
| 最大径×長さ |
50.0 × 56.0mm |
| 質量(重さ) |
約90g |
まとめ
01 STANDARD PRIME(47mm相当 F1.9)、
02 STANDARD ZOOM(27.5–83mm相当 F2.8–4.5)、
そしてこの06 TELEPHOTO ZOOM(83–249mm相当 F2.8)。
システムQ10は、この3本体制で運用している。
その中でも06は、“アップでぼかす”という使い方において、
もっとも“それっぽさ”を引き出してくれるレンズだと感じている。
ポートレート向きの焦点域ではあるけれど、
自分は人物を撮ることには、どこか恥じらいとためらいがある。
いや、もし人物を撮るのであれば、
一瞬の表情をきりとるために、間違いなく一眼の方を選ぶだろう。
その代わり、小物や花、模型などを少し距離をとって切り取るにはちょうどよく、
望遠ならではの圧縮感や背景の整理も、これから少しずつ学んでいきたい。
センサーサイズの制約を逆手にとって、
“思ったよりもボケる”という驚きを、表現の武器にできたら面白い。
まだ手探りではあるけれど、
この小さなQ10と一緒に、“引き寄せる視線”を育てていけたらと思う。
紹介しておきながら、
実のところ、まだこのレンズを“使いこなせている”とは言いがたい。
でも、それもまた楽しい。
次は、標準ズーム「02 STANDARD ZOOM」について書く予定。
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